ビタミンの過剰摂取による副作用は、ビタミンの種類によって異なります。
脂溶性ビタミンは、体内に蓄積されやすいため、過剰摂取による副作用が起こりやすいです。具体的には、以下の症状が現れることがあります。
ビタミンD:食欲不振、頭痛、口渇、疲労感、筋肉痛、倦怠感、腎臓結石、高カルシウム血症など
ビタミンE:頭痛、下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、血液凝固障害など
ビタミンK:下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、血液凝固障害など
水溶性ビタミンは、体内に蓄積されにくいため、過剰摂取による副作用は起こりにくいと考えられています。ただし、大量に摂取すると、以下の症状が現れることがあります。
ビタミンB群:下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、神経障害など
ビタミンの過剰摂取を防ぐためには、食品からの摂取を基本とし、サプリメントを利用する場合は、用法・用量を守ることが大切です。
特に、以下のような人はビタミンの過剰摂取に注意が必要です。
●小児
●肝臓や腎臓の疾患がある人
●薬を服用している人
特に、脂溶性ビタミンは、過剰摂取による副作用が重篤になる可能性があるため、注意が必要です。
ビタミンの過剰摂取による副作用に気づいた場合は、早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
ビタミンの過剰摂取による重篤な例
ビタミンの過剰摂取による重篤な例としては、以下のようなものがあります。
ビタミンAの過剰摂取
ビタミンAは、脂溶性ビタミンであり、過剰に摂取すると体内に蓄積されます。成人男性の1日の摂取目安量は900μgですが、1日30,000μg以上のビタミンAを摂取すると、頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、食欲不振、脱毛、発疹、肝障害、骨粗しょう症、胎児異常などの症状を引き起こす可能性があります。
ビタミンDの過剰摂取
ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進する働きがあります。成人男性の1日の摂取目安量は10μgですが、1日2,500μg以上のビタミンDを摂取すると、高カルシウム血症、尿路結石、腎臓障害、骨軟化症、心不全、精神障害などの症状を引き起こす可能性があります。
ビタミンEの過剰摂取
ビタミンEは、抗酸化作用を持つビタミンです。成人男性の1日の摂取目安量は15mgですが、1日1,000mg以上のビタミンEを摂取すると、頭痛、下痢、吐き気、嘔吐、筋力低下、倦怠感、不妊症、流産などの症状を引き起こす可能性があります。
ビタミンKの過剰摂取
ビタミンKは、血液凝固に必要なビタミンです。成人男性の1日の摂取目安量は120μgですが、1日10,000μg以上のビタミンKを摂取すると、血液凝固異常、出血傾向などの症状を引き起こす可能性があります。
ビタミンの過剰摂取による重篤な症状は、すぐに現れるわけではなく、数週間から数ヶ月かけて徐々に進行することがあります。そのため、ビタミンサプリメントを利用する場合は、用法・用量を守って正しく摂取することが大切です。