ミネラル類は、人間の生命活動に不可欠な栄養素です。しかし、過剰に摂取すると、副作用を引き起こす可能性があります。
ミネラルの過剰摂取による副作用は、ミネラルの種類によって異なります。
カルシウム
カルシウムは、骨や歯の形成に必要なミネラルです。成人男性の1日の摂取目安量は1,000mgですが、1日2,500mg以上のカルシウムを摂取すると、高カルシウム血症、尿路結石、腎臓障害などの症状を引き起こす可能性があります。
ナトリウム
ナトリウムは、体内の水分バランスを調節するミネラルです。成人男性の1日の摂取目安量は2,000mgですが、1日3,000mg以上のナトリウムを摂取すると、高血圧、脳卒中、心臓病などのリスクが高まる可能性があります。
カリウム
カリウムは、体内の水分バランスや血圧を調節するミネラルです。成人男性の1日の摂取目安量は3,500mgですが、1日10,000mg以上のカリウムを摂取すると、心臓の不整脈、高カリウム血症などの症状を引き起こす可能性があります。
マグネシウム
マグネシウムは、骨や歯の形成、神経伝達、筋肉の働きなどに必要なミネラルです。成人男性の1日の摂取目安量は350mgですが、1日1,000mg以上のマグネシウムを摂取すると、下痢、吐き気、嘔吐、筋力低下、不整脈などの症状を引き起こす可能性があります。
鉄
鉄は、赤血球のヘモグロビンを作るのに必要なミネラルです。成人男性の1日の摂取目安量は10mgですが、1日45mg以上の鉄を摂取すると、吐き気、嘔吐、便秘、頭痛、肝障害などの症状を引き起こす可能性があります。
亜鉛
亜鉛は、免疫機能や代謝、細胞分裂などに必要なミネラルです。成人男性の1日の摂取目安量は11mgですが、1日40mg以上の亜鉛を摂取すると、吐き気、嘔吐、便秘、頭痛、味覚障害などの症状を引き起こす可能性があります。
銅
銅は、赤血球の形成やコラーゲンの合成などに必要なミネラルです。成人男性の1日の摂取目安量は900μgですが、1日10mg以上の銅を摂取すると、吐き気、嘔吐、便秘、頭痛、肝障害などの症状を引き起こす可能性があります。
セレン
セレンは、抗酸化作用を持つミネラルです。成人男性の1日の摂取目安量は55μgですが、1日400μg以上のセレンを摂取すると、吐き気、嘔吐、脱毛、倦怠感、不妊症などの症状を引き起こす可能性があります。
ミネラルの過剰摂取を防ぐためには、食品からの摂取を基本とし、サプリメントを利用する場合は、用法・用量を守ることが大切です。
特に、以下のような人はミネラルの過剰摂取に注意が必要です。
・鉄欠乏性貧血の人
・薬を服用している人
ミネラルの過剰摂取による副作用に気づいた場合は、早めに医師の診察を受けるようにしましょう。